犬猫は7歳過ぎたら初老なんです。

犬や猫は1歳半をすぎると人間の20歳と同じ年齢に達する。2歳で24歳、その後は1年ごとに四つ年を取る。大型犬と小型犬で違いはあるが、つまり6歳の犬猫は人間でいえばおおむね40歳。この時期から犬・猫の老化は始まっているのだ。

 人間でも40~50代は老眼が始まったり、体力の衰えがそろそろ表れてくる時期だ。犬や猫も10歳にもなると個体差はあるが、白髪が目立つようになったり、毛づやがおちたり、活発さがなくなってくる。13~14歳になると目や耳の機能も低下し、呼んでも気づかなくなることもある。

 内臓の機能も低下し、免疫力も衰えてくる時期でもある。関内どうぶつクリニック(神奈川県横浜市)の牛草貴博院長はこう話す。

 「病気予防には最低限の感染症対策が必要です。犬猫ともにワクチン接種、犬は狂犬病の予防接種を必ず受けてほしい」

 日常生活のなかで、外観から気づきやすい病気に気を配ることが大事だ。犬・猫の口、毛、皮膚、目、耳をよく観察してみよう。
目、口、毛をチェック

 まずは口の中。歯石がついていないか、歯茎の色はどうか。口臭はするか、不快な臭いが以前に比べてきつくなっていないか。食べにくそうにしていないか。

 これらからは「歯周病」が疑われる。日本橋動物病院(東京都中央区)の園田開院長は話す。

 「歯周病は成年の犬猫の8割が罹患すると言われます。放置すると骨が溶けたり、細菌が血液中に入って心臓などの病気を引き起こすこともあります」

 予防法は幼期から歯みがきを習慣づけることだ。

 耳や顔をかゆがったり、脱毛があったり、皮膚が赤くなるなどの症状からわかる病気もある。高齢犬に多い「甲状腺機能低下症」は、尻尾の毛が大量に抜けたり、背中の毛が左右対称に抜ける症状などをともなう。

 毛穴にすむ「ニキビダニ」が引き起こす「毛包虫症」もやはり高齢犬に多く、内分泌疾患によって皮膚のバリアー機能が低下することで起こる。投薬や軟膏、適切なシャンプーなどで改善が期待できる。

 目の中のレンズが白くにごってくる「白内障」も犬によく見られる。眼科専門の動物病院では眼内レンズを置き換える手術も行い、視力回復も望める。

 年をとると動作がゆっくりになり、歩き方も遅くなる。特に歩きにくそうなそぶりを見せるなど異変がある場合は、運動機能の病気の可能性がある。犬には「椎間板ヘルニア」や「変形性関節症」などが起こりやすい。猫の場合は「高いところにのぼらなくなった」「じっとしている」など「やらなくなった動作」を観察すると、ひざの関節炎などがわかる場合がある。

 犬・猫ともにおやつを食べさせすぎていると膵炎になりやすい。なにより肥満は運動機能の病気や生活習慣病のもとにもなるので要注意だ。

 前出の牛草氏は話す。

 「水を多く飲み、尿の量が増えたら糖尿病の疑いもあります」

 尿の量が多くなると「慢性腎障害」も疑われる。特に高齢猫には腎臓障害が起こりやすい。軽症の場合は投薬や食餌療法で進行を遅らせることもできる。いまは自宅での介護も比較的容易になっている。早期に点滴治療や食餌療法を始め、点滴を3~4年続けながら長生きしている猫もいる。

 高齢化にともない悪性腫瘍(がん)も増えている。7歳を超えた犬・猫には少なくとも年に1度、血液検査や超音波検査を含めた定期健診を受けさせたい。特に大型犬は7歳を過ぎたら3カ月おきには受けるのが望ましい。

 犬猫は人間の4~5倍の速さで年を取る。つまりそれだけ病気の進行も早いということを意味し、1年健康診断をしないと、5年放置しておくことになってしまう。

 人間よりも早期発見が大切なのだ。

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